Alter EgoAcoustic Ego Ballade Tournee

商品の説明

現在はコスパの良い低価格路線に舵を切っているようですが、アルター・エゴは業界をリードする精鋭ブランドでした。
本機は中でも最高峰の「アコースティック・エゴ」と呼ばれるシリーズの、「バラッド」という同ブランドの「原点にして頂点」という機種になります。
自分のパソコン内を検索すると、2005年に私の書いたブランドの広告文が出てきましたので、以下にコピペします。

イタリア、ローマにデザインセンターを構えるアルター・エゴ社の製品は、ヴァイオリンやコントラバスといった伝統的な弦楽器の本質を、何一つ失わずにエレクトリック楽器にリデザインする事に成功した唯一のメーカーです。
一般的に共鳴箱をもった、いわゆる「アコースティック構造」をもった弦楽器というものは、言わば天然のアンプを内蔵していると考える事が出来ます。そしてその共鳴箱が天然木材であるが故に、弦によって生み出される振動は、共鳴箱の中で複雑な反射を繰り返し、その音色を非常に趣のある心地の良いものにしているのです。
しかし、共鳴箱で得られる音量には自ずと限界があり、大きな会場で演奏する場合や、大音量の楽器と一緒に演奏する現代の音楽スタイルには、電気的な増幅は今や必要不可欠です。ところが、これを生音に忠実に行う事は大変難しく、アコースティック楽器の音色が不自然になってしまったり、共鳴から大きなハウリングというノイズが出てしまったり、音楽家や録音技師は大変苦労しているのが現状です。
一方、夜間、静かな部屋で楽器の練習をするような際には、共鳴箱で増幅される音量は大きくなりすぎて、周りに相当に気を使わなければならないのはご承知の通りです。
このような異なる二つの状況の異なる二つの問題を解決出来る楽器として、アルターエゴ社の製品は完璧に機能するようデザインされています。
1990年代の初めまで、このようなスタイルのいわゆる「サイレント弦楽器」ではソリッドボディに単にピエゾピックアップを付けるという方法が一般的でした。しかしこの方法はぱっと訊いた感じの聴こえ方はまずまずなのですが、ミュージシャンと楽器の真の関係を構築するまでには到底至りませんでした。
アルターエゴ社ではこの問題に正面から取り組み、伝統的な構造の要であるボディ・トップをそのまま残す方法を考案しました。それは、ソリッド構造でも、箱組でもないやり方で、アコースティック楽器のボディの共振のみ取り出す事の出来る独自の構造です。
それに加え、最新エレクトロニクス技術の集約によってアコースティック楽器の広大なDレンジをクリアーできる性能をもったピックアップ／プリアンプ・システムを完成させました。
その核となる技術に、イタリアならではの美しいデザインと、ヴァイオリン製作の街、クレモナより登用されました職人による確かな木工加工、トラッドなニスを用いた仕上げ、と言わば、天然素材と伝統技術、そして最新科学との結晶です。
そしてその素晴らしさは、イタリア国内外を問わず、数多くのオーケストラの主席コントラバス奏者も絶賛するほどです。
基本タイプは２種類あり、「フィガロ」と呼ばれるタイプは、比較的トラッドなイメージが特徴です。しかし、前述の通り単なるソリッド・ボディや小型のホロウ構造を持った物と比べれば、違いは歴然。ソリッドボディや、実際の音にどの位影響をあたえているのか、疑問視されるほどの小さなトーン・チェンバーしか持たないボディの、ダイナミック感や表現力に乏しい部分が一切ありません。
「バラッド」と呼ばれるタイプは、前述の「フィガロ」のヘッドレス・バージョンです。非常に有機的なラインが美しく、ヘッドのスクロール・モチーフを活かしたボール・エンド止めと、その部分の弦の取り回しなどに、同社の美意識の高さを感じます。テールピースにコンパクトにまとまった糸巻きも非常にうまいデザインです。
いずれのモデルでも「トルニー」というオプションが選択可能です。これは「六角レンチ１本でネックとボディを分解出来る」というものです。標準ケースのほかに、ネックを分解した際に収納する専用のコンパクトなケースもご用意できます。このケースに収納すると大きさは、わずか１１５ｃｍ、重量約８ｋｇと大変コンパクトになります。飛行機での移動をはじめ、ツアーの多いプレイヤーの夢をかなえ、不満から解き放ちます。
まさに、サウンド、コンストラクション共に一切の妥協がなく、使い勝手まで、考慮された１本というわけです。究極と呼んで差支えないと思います。

以上コピペでした。長いですね（笑）
本機は2000年代前半製と思われる個体で、かなり使用感のある、修理痕もある中古品で、美品からは程遠い楽器ではあります。特にケースはとても汚れているので、近くにコインランドリーがあれば洗濯したいほどです。各部に痛みがありましたので、徹底的に調整しました。中でも指板と駒の調整は、横浜にあるコントラバス修理でお馴染みの Laguna Strings の主宰で、私の後輩にあたる二瓶大輔 氏に依頼しました。完璧な仕事ぶりで、演奏性も音色も格段に向上しました。セットアップにあたり、弦はベルカントのソロ弦をチョイスし、ノーマル・チューニングにしています。これは私のリクエストで、おかげで弾くの超楽です！

前述の広告文にもありませんが、実はアコースティック・エゴは、バラッドがオリジナル・デザインで、フィガロがのちに追加されました。まぁチューニングのしやすさを考慮すれば、そのようになるのは当然なのですが、バラッドにはデザイン以外にもメリットがあったのです。実はアコースティック・エゴはトップがかなり自由に動くので所謂ヴォルフトーンが発生しやすかったのですが、テイルピース部分に重量物である糸巻が4つ付いていることで、自動的にヴォルフトーン対策になっているのでした。そこまで踏まえたオリジナル・デザインだったのです。

今回久しぶりに入荷しましたが、当時からも高額モデルだったので、中古自体滅多に出ません。
美品ではありませんが、現状で最良に仕上がっています。改めて弾いてみて、その後色々な楽器が出ましたが、依然として EUB としては究極だな、と改めて感じました。オススメです。

便宜上、送料設定を高めにしていますが、通常の宅配サイズを超えてしまうので簡単にお送り出来ない場合がございます。改めて都度見積りとさせて下さい。故にクレジットカード決済は外しております。何卒ご了承お願い申し上げます。