Antigua Casa Nunez クラシックギター

推定1910年後期~1920年代のヌニエス（Diego & Gracia）、素晴らしい逸品です。

松×高級メープル仕様。マザー・オブ・パールをふんだんにあしらったロゼッタは愛らしくもあり、当時の一部の優れたギターだけが放つ品格がここにあります。
この年代のギターは装飾が凝っており魅力的な反面派手でコテコテしているものが多いですが、当器の上品で可愛らしいデザインは珍しいです。

クラックなどは当然見受けられるものの、全体的な美観は優れているといって良いでしょう。職人によって綺麗にリペアされており、段差もなくとてもなめらかです。ヴィンテージの味わいの一部ですので殆ど気にならないかと思います。写真でご確認ください。
普段から弾いておりますが、演奏における不具合のない素晴らしいコンディションです。


20世紀前半のヌニエス工房の作品の中には、このギターのように同時期のスペインの名器シンプリシオやサントスと比べても勝るとも劣らないレベルの作品が少なからず存在したといわれています。
初期のヌニエスはバルセロナ派のギターそのものと言っていい、トーレスの流れをくむ繊細な音作りです。
当方フランシスコ・ヌニエスも所有しておりますが、どちらもマヌエル・ラミレスやシンプリシオを想起させるような深遠な音色を奏でます。
音色は優れたヴィンテージのみが有する、太く非常に深みのある音色です。6弦の重低音もしっかりとしたもので奥深さを感じさせます。

「アンティグア・カサ・ヌニエス」とはフランシスコ・ヌニエスの死後、工房を引き継いで変遷したブランド名の事ですが、中にはかなり仕上がりのお粗末なギターが生産されるようになります。そのため「ヌニエス」と一括りにすると玉石混交を極め混乱してしまう方もいらっしゃるようです。フランシスコ・ヌニエスの死後数年、また1930年以降でも、中には素晴らしい個体は存在します。（70年頃のヌニエスを所有しておりますが、見事な松＆ハカランダの太く甘い音色です）

可憐で美しいギターですので、ヌニエスファンの方はこの機会にぜひご検討くださいませ。


モデル：Antigua Casa Nunez
制作年（推定）：1910年後期~1920年代
弦長：630mm
表板：松
裏板：メープル
横板：メープル
ロゼッタ：マザー・オブ・パール

輸送用のケースに入れてお送りします。

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